グインサーガ99巻『ルードの恩讐』の感想です(ネタばれありです)。




 ずっと読み続けてきたグインサーガ……もうナリスの話ばかりで勘弁してと思った時期もありました。腐ったトマトになりかけた事もありました(トマトの思いを誰かと分かち合いたい事もありました)。しかしながらそれでも遂に99巻まで来ました。全100巻の物語として始まったグインサーガ……100巻で終わらない事が確定しましたが、それでも読者の一人として非常に感慨深いです。次でいよいよ100巻なんだなぁと。




 さて、99巻の感想ですが、イシュトとグインの間はこれで完全に壊れてしまうんだなぁとしみじみしました。なんだかんだでイシュトは好きなキャラだったんですけどね。徐々に壊れていって、まさに狂王になっていっているように思います。グインがイシュトにやられるとは思っていませんが、今回の話で完全に壊れてしまって、イシュトは更に暴走するんでしょう。そしてカメロンをその手で殺した時(もしくはカメロンの自害か、カメロンがイシュトを殺そうとして返り討ちか)に、完全に狂王として君臨する事になるんだろうという感じがします。




 中盤はザザやウーラの活躍もありましたし、かなりグインの「らしさ」が戻ってきていて、読んでいて久しぶりに楽しかったです。やっぱり冒険の要素(グールの棲家を訪問したり)があるとわくわくするなぁと思わされてしまうのです。




 それにしても記憶が無い中で、これだけ情報を集めてしまう(イシュトがお喋りなのはともかく)のは大したもんだと思います。途中は一般論と直感による判断の組み合わせだけで話を進めてしまってますしね(それにイシュトが同意してしまう辺りがまた何とも)。ご都合主義の総結集のようなキャラですからね、グインは(笑)。でも、それはある程度主人公特権として、ボロは(あまり)出さずにいましたし、楽しめました。




 次の100巻目で、このイシュトとのやり取りをどう片付けるのか? ヤーンの声の正体は誰なのか?(グイン自身ってオチじゃないと思いたい) グインがザザに持ち上げられた時、軽くなったのは何故か?(魔道師が傍に隠れている?) 色々と気になる状態で次は4月の刊行のようですね。絶対に買います。




 まだまだ終わらないとは言え、こうして100巻目が読めるなんて私は非常に嬉しいです。一時期、グインの刊行速度が落ちて、作者(栗本薫)が先に死んでしまって未完になったらどうしようかと思っていた時期もありました。物語としては終わってないので未完の可能性はまだ残っていますが、それでも100巻目という一つの節目に立ち会えるというのは、グインサーガファンとして、本当に嬉しい事です。100巻目が出たら、また感想を書くつもりですが、その時は、思い出話になってしまうのでしょうかね(笑)。



ルードの恩讐―グイン・サーガ 99
栗本 薫
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